これは、真の王となるための物語。
内容
『二ノ国II レヴァナントキングダム』レビュー/感想
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印象は弱めなストーリー
ニノ国2のあらすじ
二ノ国にあるゴロネール王国、その国王として若くして即位した「エバン」はクーデターにより国を追われてしまいます。その最中、母親替わり・姉替わりであった侍女アルフィニーを失い、最後に彼女が残した「真の王となり、この世界をお救いください…」という言葉を胸に皆が笑って暮らせる国を作ることを決意する…
新たな国を作り他国と平和条約を結んで二ノ国を統一するというゲームの目的が明確であり、王道的でわかりやすいストーリーと言えるでしょう。
ただし描写が淡泊で盛り上がりに欠け、唐突な展開にツッコミどころがある場面も…。プレイしたユーザーの中で本作の魅力としてストーリーを挙げる人はあまりいないんじゃないかなぁ…、という印象です。
こだわりを感じるグラフィック
トゥーンレンダリング技術によるアニメ調のグラフィックスタイルは見事であり、本作の大きな魅力の1つと言えるでしょう。
久石譲氏によるBGMは非常に質の高いものだと思いますが、ゲーム音楽としてはあまり印象にタイプのものではないかなと思いました。
テンポが良くトレハン要素も楽しい戦闘
前作とは打って変わって戦闘はアクション要素の高いシステムに変更されました。
フィールドではシンボルエンカウント、ダンジョンではシームレスで戦闘に突入し、戦闘フィールドを駆け回りながら弱・強の物理攻撃や遠隔攻撃、技・魔法、ガードや回避アクションを駆使しながら戦うアクション性の高いバトルが楽しめます。
戦闘を手助けしてくれる精霊「フニャ」はそれぞれが異なる能力やスキルを持ち、戦闘に戦略性を与えてくれています。
また本作の装備には個体差があり、敵が装備をドロップするというトレハン要素があります。
爽快感がありテンポも良く、装備品ドロップといった戦闘を作業に感じさせない工夫があり、最後まで飽きずに楽しむ事が出来ました。
声がね…
レベルファイブではお馴染みですが、ニノ国2の主要キャラクターの声には芸能人が起用されています。個人的にはそこまで違和感を感じる部分はありませんでしたが、やっぱり棒だな~と思ってしまう所はありました。
またフルボイスではなくパートボイスが多いのがちょっと気になりました。
徐々に発展するのが楽しいキングダムモード
キングダムモードはエバンが新たに立ち上げた王国「エスタバニア」を実際に作り上げるというシステムです。
このモードでは施設の建設やグレードアップ、人材を送り込んで施設ごとに用意された研究などを行うことが出来ます。
施設にはそれぞれの役割があり、装備品を作れる武器工房や戦闘での報酬にボーナスがかかるスピリチュアルラボなど、王国を発展させることで冒険を有利に進めることが出来るようになります。
人材はサブクエストを達成することでエスタバニアに移住してくる、という形で増やせます。サブクエストはほとんどお使いクエストといった感じですが、国民が増えると新たな研究が出来るようになる嬉しさがありますし、それ程煩わしさは感じませんでした。
王国の発展には資金が必要であり、これは国力(施設や研究によって増加)に応じて時間ごとに得られる仕組みになっています。
発展させる程収入が増えていき更なるグレードアップが実施できるという流れは、クッキークリッカーを想像してもらえば分かりやすいかもしれません。
施設を建てる場所は固定であり、発展させる順番を決められるだけでシミュレーション要素はあまり無いシンプルな作りですが、人や施設が増えて色んな事が出来るようになるのは単純に楽しいですね。
コストや手間の点から難しかったのは理解できますが、王国の中をフィールドマップと同じ2頭身のチビキャラグラフィックでしか歩けなかったのは少し残念。
エスタバニアの街並みやそこに住む人たちを、他の街のような作り込まれたグラフィックで見てみたかったなぁ…。
単純すぎて少々味気ない進軍バトル
軍隊を率いて戦う「進軍バトル」は個人的に本作では一番のマイナスポイント。
進軍バトルはエバンが軍を率いて敵と戦うモードです。普段の戦闘とは違いフィールド全体が戦場となり、賊やモンスターを相手に軍として進軍することになります。
システムとしては、最大で4つの部隊を率いてL1/R1ボタンを押して回転させながら敵軍にぶつけるという簡素なもの。
兵種ごとに有利不利の概念がありますが極力有利な組み合わせをぶつければ良いだけ。部隊長毎に設定されたスキルなどもありますが、これらを上手く活用しなければクリア出来ないという程の戦略性はありません。
チマチマ戦ってレベルが上がっていくのは嫌いではないですが、育成に介入出来る部分はほとんどないのも残念。戦略的な楽しさや育成する楽しさ、どちらも薄く楽しむポイントが無かったかなぁという感じです。
まとめ
★★★★★★★★☆☆ | |||
新鮮味はないが安定した面白さ |
ストーリーに関しては描写が淡泊でキャラに愛着を持ちにくいのが少し残念でしたが、ゲーム部分は楽しいのでRPGをプレイする上でストーリーの出来を最重要視する人でなければ、これを理由に購入を見送る程ではありません。
個人的にはストーリーより「進軍バトル」がイマイチだったなぁ。
気になる部分もありますが、ゲーム全体としてはかなり高いレベルにまとまっているので、RPG好きならチェックしておきたい一作ではないかと思います。
本作の最重要ポイント
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