『シカトリス』をプレイしての感想
基本情報
日本一ソフトウェア | |
異能×学園RPG | |
PS5PS4Switch | |
2023月6月29日 |
- 教師として学園生活を送りながら、生徒たちで構成された特殊部隊を率いて異常異能事件に立ち向かう「異能×学園RPG」
- プレイヤーは教師として異能使いの生徒たちを育成しながら、彼らの過去のトラウマと向き合っていくことになる
- 戦闘では生徒それぞれが提案してきた行動から1つを選択して行動する。敵味方にあるスタンゲージを管理して戦闘を優位に進めるのが重要
- 膨大なスキル群からより良いスキルビルドを考える奥深さや、周回プレイを前提としたキャラクター育成の自由度の高さなどが特徴
教師となって異能使いの少年少女を導いていく
『シカトリス』は、教師として学園生活を送りながら、有事の際は生徒たちで構成された特殊部隊を率いて危険な任務に立ち向かう「異能×学園RPG」です。
本作は一部の人類が突如「異能」と呼ばれる超常の力に目覚めてから約1世紀たった世界が舞台。
その力を持って社会で活躍するものがいる一方、悪用したり制御できずに暴走してしまう者がいるなど、異能使いによる事件が多発していた。
そんな中、異能が発現した子供の保護・育成を名目とした特殊学級「RAUT(予備対異常異能班)」が設立される。
物語はある事件で恋人と自身の異能を失った元AUTの隊員”神谷蓮史”が後進育成のために「RAUT三〇二分隊」に教師として赴任することから始まる。
RAUT三〇二部隊に集まった生徒はそれぞれに異能を発現するきっかけとなるトラウマを持つ高校生。神谷は彼らと共に生活しながら生徒の抱える悩みやトラウマの克服を手助けしていくこととなる。
ストーリーは生徒たちが過去のトラウマに向かいあっていく中、プレイヤーはそれを乗り越えていけるようサポートしていくという展開で進みますが、生徒たちは自らの心の傷・トラウマを乗り越えられず異能に飲み込まれてしまう場合も。こうなると悲劇的な結末を迎えてしまいバッドエンドとなってしまいます。
ストーリーに関しては好みがあると思うのでレビューするのが正直難しいのですが、出来としてはしっかりまとまっていて悪くはないと思います。
登場人物が多くないので先の展開は読めますが、生徒たちが成長していく姿や人物描写なども良く描けていますね。
ただし演出面の弱さはかなり気になります。基本的にイベントシーンは立ち絵のみで進み、イベントスチルは数枚しか存在しないなど控えめな印象です。
シンプルだが試行錯誤の余地がある育成システム
教師であるプレイヤーは毎週授業のスケジュールを立てて、7人の生徒を育成していきます。
選択した科目に応じて、生徒たちは体力や判断力といった「基礎力」が上昇。授業で育てていく8種類の基礎力によって約300種類存在するスキルを習得しつつ、戦闘で経験値を稼いでレベルアップ、ステータスを上げていくのが育成の流れとなります。
キャラクター毎に得意・不得意な教科があったり、提示される授業はランダム、生徒毎に設定できる専攻に応じて獲得出来るスキルや授業での基礎力上昇ボーナスが変化、体調の概念があるなど、やることはシンプルですが試行錯誤する要素が多く理解出来れば中々楽しいシステムとなっています。
情報を元に対策を練る戦闘システム
特定の日で発生するイベントや異常異能事件では戦闘が発生(ちなみにストーリーを読み進めていくと戦闘が発生するという形になっており、マップやフィールドといった探索要素はありません)
本作の戦闘はオーソドックスなターン制コマンドバトルなのですが、戦闘に参加している4人の生徒たちが提案する行動から1ターンに1つを選択して戦っていくという同社の「クリミナルガールズ」シリーズのような形になっています。
なお主人公は戦闘には参加せず、生徒の提案を選択する以外にはターン経過や特定の行動で溜まっていくオーダーポイントを使用して「オーダースキル」を発動したり、アイテム使用や生徒入れ替え指示などが出来るので、これらを駆使して戦闘を勝利に導いていきます。
また本作の特徴的な仕様として、戦闘前の準備画面で敵の能力や所有スキルが開示されていて、それを元に戦略を練れるというシステムが存在します。
敵は割と尖ったステータス・調整をされている事が多く、その特徴に合わせてこちらのスキル構成を変えていかないと苦戦は必至。
各キャラクターには授業で習得した「アクティブスキル(コマンドスキル)」「パッシブスキル(常時発動するスキル)」を複数装備させられるので、どういう構成にするか…といった試行錯誤がとても楽しいです。
戦闘システム自体は個人的に評価が高いのですが、テンポが良くないのはかなり気になります。
戦闘において重要なログもありますし戦闘速度を早くし過ぎるのも良くないというメーカーの判断なのかなとは思いますが、流石にちょっと遅く感じますね…。
初見プレイクリアくらいまでならそこまで気にはならないのですが、ゲームに慣れてくると結構しんどいです。スキップレベルの早さは求めませんがもうちょいだけ早く出来る設定も欲しかったかなぁ。
良質なBGM
地味に良曲揃いでポイント高いです。
まとめ
- 全体として低予算感はあるが良く練られたゲームデザイン
- ストーリーはオーソドックスであるが悪くない仕上がり。イベントスチルは数枚しかなくほぼ立ち絵で進むなど、演出面はかなり弱め
- シンプルながら試行錯誤の余地がある育成システム
- 事前に開示された情報を元に対策を練る戦闘システムは戦略性があって〇
- 戦闘テンポの悪さはかなり残念。速さが足りない!
PS5『シカトリス』プラチナトロフィー獲得!
本作はトラウマを抱え異能使いとなった生徒を育成しながら異常異能事件に立ち向かうRPG
事前に開示される情報を元に対策を練る戦闘システムや育成要素など、所々低予算っぽさはありますが刺さる人には刺さる良作…なだけに戦闘テンポの悪さが勿体ないかな pic.twitter.com/5C0QZyAuWO
— ととねこのゲーム攻略所 (@totonekonet) July 6, 2023
ストーリーの演出や雑魚敵のレパートリーの少なさなど、ゲームを彩る部分は結構削られていて低予算感は拭えませんが、ゲームの面白さの根底となる部分はしっかり練られており予想以上に良作でした。
戦闘や育成システムなどの向き不向きはかなりあると思うので、まずは製品版にデータを引き継げる体験版をプレイして自分に合っているか確認する事を推奨します。
興味津々の作品でしたが、プレイ画面が一昔前のエ⬛︎ゲーぽいですね…
何も知らなかったらジャケ買いしそうなカッコよさなのがニクい。