ようこそ都市伝説解体センターへ
『都市伝説解体センター』をプレイしての感想
基本情報
墓場文庫/集英社ゲームズ | |
アドベンチャー | |
SwitchPS5Steam | |
2025年2月13日 |
本作はインターネット上に飛び交ういくつかの都市伝説をテーマに、推理ミステリーのようなシナリオとサイケデリックなピクセルアートで紡ぐ、連続ドラマ形式のアドベンチャーゲームです。
ストーリー
主人公の福来(ふくらい)あざみは、都市伝説解体センターのセンター長であり、国内屈指の能力者である廻屋渉(めぐりやあゆむ)とともに、”都市伝説”絡みの依頼を解決していくことになるが…。
福来あざみとして現地での聞き込みと状況証拠、そしてSNSの書き込みなどを集めながら、都市伝説の調査を行ううち、都市伝説の真相、そして怪異に遭遇した依頼者たちの過去を明らかにしていく。
※以下ストーリーに関するネタバレは含みません(最序盤に見られるイベント等の画像を掲載しています)
ゲーム概要
本作は全6話構成のアドベンチャーゲーム。
- SNS調査
- 探索
- 都市伝説の特定
- 都市伝説の解体
というシステムによって物語を進めていきます。
SNS調査
依頼主の元に向かう最中、依頼に関わる都市伝説の輪郭を見つけるため、無数の人々により数多くの噂が発生するSNSから怪しいワードを見つけて検索・調査していく、これがSNS調査パートです。
気になる投稿を同僚のジャスミン先輩の相槌と共に確認しつつ、怪しいワードを捜索。怪しい投稿に対して廻屋から渡された特殊な眼鏡をかけて確認すると手がかりになりそうなキーワードが浮かび上がります。このキーワードを検索することで新たな話題を探り、情報を集めていきます。
このパートの注目点はSNSに対する製作者の解像度の高さ。根拠のない憶測で好き勝手に人を非難するなどSNSの嫌な部分をこれでもかと見せつけられます。やっぱりSNSはクソだな!
探索
探索パートはサイドビューとなり、左右に移動しながらマークがついた箇所を調べて情報を集めていきます。
ここでも眼鏡をかけると裸眼には見えなかった人や物の思念が浮かび上がるので、こちらの能力も使いつつ調査を進めましょう
集めた情報を元に推測を進めていく場面では穴埋め形式でプレイヤーが文章を作ります。これ以外にも選択肢を選ぶ場面が多数登場しますが、間違ってもペナルティはなく誘導も丁寧なので、攻略に困ることは基本的にありません(最悪分からなくても総当たりすれば良い)
都市伝説の特定
事象の輪郭が見えてきたらこれまでの調査で得られた情報を整理して、起きた事象と符号する都市伝説を突き止めます。
この特定によりその事象が起きた原因や今後の対策などが立てられるようになります。
都市伝説の解体
こういった調査・探索を進めて積み上がった証拠を元に都市伝説の背後にある謎を解体。その先にある真実を突き止めます。
感想(ネタバレなし)
ストーリー
メインテーマである”都市伝説”と、現代社会のSNSにおける根拠のない邪推、ネットリンチといった現実さながらな醜悪さを絡めつつ、怪異を解き明かしていくシナリオが描かれます。
本作は誰もが楽しくクリアできるゲームを目指したミステリーアドベンチャーとなっており、導線がかなり丁寧。
そういった事もあり各話における謎解き等は割と予想がつくところが多いかなという印象ですが、シナリオのテンポが良くて読みやすく、個人的にはとても楽しむことが出来ました。キャラクターが魅力的なのも良いですね。
アドベンチャーゲーム全般に言える事ではありますが、本作はかなりネタバレ厳禁な作品です。気になっている人はネタバレを踏んでしまう前に早くプレイしましょう。
途中のシナリオの展開や作りに思う所がある人もいるかと思いますが、とにかく最後までプレイしてくれ!
アートワーク
全編美麗なドット絵で描かれており、ヌルヌル動くドット絵アニメも素晴らしい。
青をベースとした独特な色使いも、他の色がより際立つ感じで印象的。
UI・ゲーム動作
会話の選択肢で、カーソルが自動で未選択のものに配置されるなど細かい気配りが見られますが、SNS調査などやや煩雑さを感じる要素もあります。
他に気になる点としては手動セーブが無い事。場面によっては結構オートセーブが入らない事があるので、途中で中断する際は左下にセーブアイコンが表示されたことを確認してから終了しましょう。
まとめ
- 高い完成度のシナリオ構成
- ドット絵による秀逸なアートワークや演出
シナリオの好みはあるかと思いますが、アドベンチャーゲーム好きなら試してみる価値がある1本である事は間違いないでしょう。
クリアまで10~12時間程度。アドベンチャーゲームとして丁寧な作りで、1話あたりの長さも丁度よく遊びやすい作品です。気になる要素が1つでもあれば是非プレイしてみることをオススメします。
いちいち演出が良いですよね。
特定・解体の演出や、一話毎の終わり方(曲やちょっとモヤっとした感じ)が良いなと感じつつ、残り3話楽しみたいと思います。
一気にやりたいのに時間無い(´;д;`)ブワッ