オープンワールド化したシリーズ最新作『真・三國無双8』のレビュー・感想です。
内容
PS4『真・三國無双8』をプレイしての感想
先日発売されたシリーズ最新作『真・三國無双8』のレビュー・感想です。そこそこプレイしたので私個人の意見や評価などを書いていきたいと思います。
戦闘システム
□と△で攻撃、〇で無双乱舞、×でジャンプ、L1でガード、R3でロックオンと基本的な操作自体は従来通りとなっていますが、今作では新たにフロー攻撃、リアクト攻撃、トリガー攻撃というシステムが導入されています。
フロー攻撃
フロー攻撃(□)は敵の状態に応じて変化する連続攻撃です。攻撃対象が宙に浮かんでいれば自分もジャンプして空中で追撃するといったように、簡単操作で敵に連続攻撃を与えることが可能です。
リアクト攻撃
リアクト攻撃(△)はプレイヤーと敵の状況に応じて変化する攻撃です。プレイヤーが敵に攻撃されようとしている時に押せばカウンター、敵がガードしている時はガード弾き、敵に見つかっていない時は奇襲攻撃、敵に一定上のダメージを与えた状態で発生する一撃で倒せるフィニッシュ攻撃など、プレイヤーが有利な状態となるようなアクションが発生します。
トリガー攻撃
トリガー攻撃(R1+△/□/×)は敵の状態を変化させる攻撃です。
敵を宙に打ち上げたり気絶させる、ダウンさせるなどといった効果があります。押して溜める事で敵のガードを破ることも可能です。
またR1+〇でクールタイムがある強力な特殊技を発動出来ます。
ステートコンボシステム
これらの攻撃は全てコンボとして繋げて発動することが可能です。
「ガード崩し(リアクト)」→「打ち上げ(トリガー)」→「空中で追い打ち(フロー)」→「叩きつけ(リアクト)」→「ダッシュ攻撃で詰め寄る(リアクト)」→「気絶攻撃(トリガー)」→・・・といった感じに途切れることのない連続攻撃を繰り出すことが出来ます。
戦闘システムは個人的には中々悪くないんじゃないかなという感じです。3つの攻撃はそれぞれ連続して繋がるので多彩な攻撃が可能ですし、なんといっても敵と距離が離れた際に発動できるダッシュ攻撃が地味に良いですね。「次の敵に近寄る」といった工程を省けるので、途切れることのない攻撃による戦闘快適度は上がっていると思います。
ゲームの流れ
陣営と武将を選択することでゲームが始まります。主要な任務を達成することで話が進む、一般的なオープンワールドゲーと同じ様な感じです。
ストーリーが進む主要任務にはサブ任務が付随します。サブ任務を達成することで策を講じる、敵の戦力を削いで増援を防ぐといった効果があり、主要任務の難易度が下がります。
”赤壁の戦い”を例に挙げると「赤壁の戦い」が主要任務、「苦肉の策」や龐統による「連環の計」がサブ任務といった感じです。また、合戦の周囲の重要拠点を制圧することで敵のレベルを下げるといったことも可能です。
フィールドには素材アイテムやアイテムの入った箱などが点在しており、これらを集めて町で装備品やアイテムなどを作るといった要素もあります。
自由度の上昇・戦略性の低下
任務をやるかどうかや順番などを任意で決めることが出来るようになったため、攻略の自由度は上がったと言えるでしょう。しかしその反面戦略性は低下していると言わざるを得ません。
過去作ではイベントの達成による戦況への影響が大きく、味方の救援や敵増援など戦況が目まぐるしく変化していくので、自由度は少ないですがどこから進軍するか、誰を早めに倒すかなどの戦略性は本作より高かったと思います。
8は戦況の変化がゆったりしているので、味方と一緒に前線を押し上げる!といった感覚は薄いです。またサブ任務をこなした所で最終的には主要任務の敵LVが下がるだけであり、戦略的な意味がもうちょっとあっても良いんじゃないかな~という気がしました。
オープンワールド的な面白さは薄い
本作はシリーズ初のオープンワールドを採用していますが、純粋なオープンワールドゲーとしては捉えない方が良いかと思います。
オープンワールドの楽しい要素の1つとして”探索要素”が挙げられると思います。本作でも一応本筋とは関係ない場所に向かってロケーションを楽しんだり、アイテムを収集したり、高レベルの強敵と戦うといったようなことは可能ですが、上手く、ゲーム性に絡めているとは言い難くとりあえず設置しました的な取って付けた感が強いです。
釣りや狩猟、探索といった要素はやればキャラ育成や装備開発に役立つといった程度です。
基本的には主要任務達成へ向けて拠点制圧やサブ任務をクリアしていき、これらの要素はそのついでに出来るよといった感じ。
オープンールドな部分を期待して本作を手に取ると期待外れだったという感想が生まれると思います。
歴史の流れを表現するためのオープンワールド
じゃあ何故本作はオープンワールドという形を取っているのかというと、より歴史の流れを感じることが出来るようにするためではないかと思われます。
これまでのシリーズ作品では各武将に焦点を当てていたり(「曹操伝」といったような感じ)、各陣営毎に合戦とその戦いに関連する武将を選択して話を進めていく(7のような方式)など、どのような形であれ各合戦を切り離したステージ制でゲームが展開されていました。
しかし8ではこれまで切り離されていた主要な合戦に付随する戦いや拠点の制圧、戦闘準備や育成などがぶつ切りにならずに同じフィールド上で行えるようになっています。
要は主要な戦いに向けての拠点争いや策など、様々な事が裏でに行われている…という歴史の流れをより感じやすくするにはどうしたら良いか?という答えがオープンワールド化に繋がったのではないでしょうか。
演出面は弱い
一部重要なシーンにはムービーが用意されていますが、合間の細かいイベントでは棒立ちのキャラによる会話シーンが多いです。これはカットシーンを少なくして没入感を深めたいという意図があったのかもしれませんが、過去作のようにイベントシーンをもっと入れてくれた方がよかったかなぁ…という気がします。
フレームレートの低下が気になる
8は処理が重くフレームレートが低下する場面があります。
私はPS4Pro・Ver.1.03のアップデートを適用・グラッフィクモード「アクションモード」でプレイしていますが、それでも一部シーンではフレームレートの低下が発生します。
8はフィールドが広くなった分遠くの敵兵まで表示させたり、破壊できるオブジェクトの量が多い分安定しない場面が出てしまうのかな、という感じです。個人的にはこの辺の質は落としてフレームレートを安定させた方が良かったんじゃないかなという気がしました。
まとめ
これまで不満点を挙げまくってはいますが、アクション部分は面白いですしチマチマ育っていく感じも楽しく、個人的には結構気に入っています。
マンネリ打破のために色んな面で変化があったため粗削りな印象は否めないですが、洗練されれば良くなるようポテンシャルは感じます。
宣伝でもオープンワールドという事を強調していたりもしていますが、あまりその面は気にしない方が良いです。戦場のスケールが大きくなったセミオープンワールドといった感じです。
ただ本作をク〇ゲーだと評価する意見も理解できますし、過去のスタイルの方が好きな人も多いと思うので、シリーズファン全員にオススメ出来るかというと難しいです。ただこれまでのスタイルは7である程度完成形に近づいていると思いますし、無難に7の延長線上の8を作るのではなく、新たな路線に挑戦している点は評価したいですね。
これまで書いていない事も含めた私の感想をまとめると
- OW化により従来の無双と比べ戦場スケールが大きくなった
- 現状ではオープンワールドゲー的な要素はおまけと捉えるべき
- 自由な探索を求めて遊ぶべきではない。開発側もそこまで重要視していない気がする
- アクションは悪くないと思う
- 鉤縄でボス直行出来ちゃうのは正直微妙
- OWの要素とマッチしていない部分もちらほら、不安定な挙動も
- 不満点も多いがこれまでで一番マンネリは打破出来ていると思う
- がんばれ
といった感じです。
個人的要望
全軍で押し上げる感の増加
折角戦場が地続きになっているのに全軍でジワジワ押し上げているといった感覚がないのは非常に勿体無い気がします。もうちょっと拠点制圧による影響を大きくするとか味方も自分がいない場所でも戦っていますよ感を強くしてほしいですね。
キャラではなく陣営と時代を選択してのプレイ
一人のキャラを選ぶのではなくもう少し各章の期間を長くして、その章内で複数のキャラを切り替えながら遊べるにようにしても良かったんじゃないかなぁという気がします。
本作はプレイアブルキャラクターが90人もいるので非常にボリュームがありますが、同じ陣営で同じ時代を生きた武将ではストーリーやイベントがほぼ同じなので、気軽に色んなキャラクターを使いにくいような気がします。
売り上げランキング: 1,194
モンハンとかバーチャロンで忙しくてそこまでプレイしてないですが細かい不満点は多いものの大枠としては楽しめています
改良の余地がかなりあるので良作とは言えないですけど
それと内容的にEmpiresどう出すんでしょうね