希望への道を開拓せよ!
ととねこのゲーム紹介所・第20回 PS4/Switch/XB1『黄泉ヲ裂ク華』
エクスペリエンス | |
ダンジョンRPG | |
PS4NSWXB1 | |
2020/10/15 ※XB1版は2020/06/11 |
- エクスペリエンス(チームラ)によるダンジョンRPG最新作
- XboxOneはDL版のみ、PS4・Switch版にはシナリオクリアまで遊べる「お手軽版」も
概要
本作は1970年代の東京を舞台にしたディストピア・ダンジョンRPG。
プレイヤーは、非合法な手段で雇われた地下探鉱士(アンダーノーツ)を統括する会社の社員(課長職)となって、“狂王”の罠により閉じ込められた部下と共に、迷宮を攻略していきます。
PTメンバーをキャラメイクしてパーティを結成、ダンジョンを探索して敵を倒したり装備品を集めながらキャラクターを強化、「特定の敵を倒せ」「特定のアイテムを入手せよ」といった目標を達成しながら色々なダンジョンを踏破していく…といったように、ゲームとしてはオーソドックスなダンジョンRPG、いつものチームラ作品と思っていただければ良いかと思います。
キャラメイクではゲームに影響しませんが、キャラ付けとして特記事項を入力することが可能
装備には品質があり、性能やステータス補正などはランダムで変化。より強い装備を求めてトレハンしなきゃ(使命感)
本作の特徴
本作の特徴を紹介。
黄泉の花によるダンジョンビルド
本作には「黄泉の花」と呼ばれる特殊なアイテムが登場します。
このアイテムは迷宮内の特定のポイントで使用することによってダンジョンの構造を変化させることが出来る性質を持っているので、これを使ってダンジョンを開拓していくのが、探索における大きなポイントとなっています。
- 「トビラの花」
- 「カケハシの花」
- 「マモノの花」
ダンジョンの怪しい壁に対して使用すると隠し扉を建設出来る
柵のない狭い奈落に対して使うことで1マス分を橋を建設出来る
何も無い場所に使うと、戦闘勝利時に確定で宝箱をドロップする戦闘ポイントを作り出すことが出来る。トレハンポイントを自分で作り出すことが出来るぞ!
道がないなら橋を架ければいいじゃんの精神
ちなみに地形を変えるタイプの「黄泉の花」を使用出来るポイントに体当たりをするとエフェクトが出て、マップに黄泉の花を使えるポイントであることを示すマークが追加されます。隠し扉は沢山登場しますが、ほとんどはここ通れるだろと思わせる露骨さがあるので、探索で詰まることは多分無いかと思います。
気軽に振りなおせるスキル・能力値
本作では従来のエクスペリエンス作品のように特定レベルに到達すると特技や呪文を覚えるのではなく、獲得したスキルポイントを消費して好きな技を習得・強化していくという「世界樹の迷宮」のようなスキルシステムが採用されています。
※スキルによっては習得可能レベルが設定されている場合があります
このシステムではどのスキルを取るか、強化していくかといった試行錯誤が楽しいポイントかと思いますが、半面こういったゲームに慣れ親しんでいない人にとってはどう振り分ければ良いのかが難しく、結局攻略サイトなどのオススメ情報に完全に頼ってしまってキャラビルド本来の楽しさを味わえずに終わってしまうことも多いのではないかと思います。
こういった試行錯誤が醍醐味
ですが本作はこの辺の振り直しの敷居がかなり低く設計されており、クラスや能力値は拠点で自由に変更可能、スキルポイントに至ってはメニュー画面からいつでも振り直しが可能となっています。また振り直しに何かを消費することもないので、試行錯誤が簡単に行えて非常に良いですね。
スイッチブースト
「スイッチブースト」は戦闘中に1ターンの間PTメンバー全員の能力を一時的に強化出来る特殊能力です。スイッチブーストには以下の3種類+1の能力があります。
- 「超電スイッチ」
- 「耐電スイッチ」
- 「神電スイッチ」
- 「充電スイッチ」
1ターンの間隊員のスキル能力を強化するスイッチ。さらにスキルを使用する際の消費MPが0になる
1ターンの間、敵から受けるダメージを半減、即死を含む状態異常攻撃を防ぐスイッチ。またターン終了時に全員のHPを10%回復する
1ターンの間、隊員の速さと運を強化するスイッチ。必ず敵より早く行動でき、命中率・回避率が+50%向上。神電スイッチ使用中のターンに勝利すると入手出来る経験値とお金、宝箱が獲得出来る戦闘なら獲得宝箱の数が1個増える
効果を発動した後の上記3つのスイッチを再び押せるようにするスイッチ。複数のスイッチが押せない状態になっているときは先に効果を発動したスイッチから充電される。要するに上記3つのいずれも使わないとリチャージされる
スイッチブーストはコマンド(変電)かL2・R2ボタンで変更可能
PTメンバーのコマンドにこれらのスイッチブーストを絡めたバトルが非常に楽しいです。
例えば「PT全体のHPが減少している時に神電ブーストを使って確定で先制を取り、HPを回復して体勢を立て直す」「回復役に強化スキルを使わせたいので耐電ブーストを使って被ダメを抑える」「雑魚戦で開幕に超電ブーストでスキル強化+消費MP0で全力攻撃、次のターンは神電スイッチで先制を取りつつ通常攻撃でMPを節約しながら残った敵を倒す」といったように、様々な運用法があります。
スイッチブーストは使う事でのペナルティはないのでガンガン使っていけば良いのですが、連続では使えず再使用のためには充電ターンを挟む必要があるというのもポイントで、強敵相手にはどのターンで使用するか、充電ターンを挟むかなどの判断も重要になってきます。
とにかく快適
この手のダンジョンRPG・ハクスラゲーでは最も重要といっても過言ではない快適性は非常にハイレベルです。
戦闘のサクサク感はとても重要
全体的にロードが早く、戦闘での高速化や自動戦闘(リピート行動と全員通常攻撃)、マップでの自動移動などの作りがしっかりしており、テンポが良くサクサク探索やトレハンを楽しむことが出来ます。
気になる点
ポートレートの少なさ
個人的には本作最大の不満点なのですが、キャラメイクでのポートレート(キャラクターの絵)の種類が少なく偏りがあります。
本作では8種類の職業があり、各職業をイメージしたキャラ絵が用意されてはいるのですが、ストーリー的に「プレイヤーが務める中小企業”カサンドラ”は弱小企業故に優秀な人材を獲得出来ないので、裏ルートから他社が未発掘の女性や学生を狙った雇用を行った」という設定があるためか、女性や老人などのキャラ絵が多く偏りがあります。(男の闘術士や聖術士イメージのポートレートがない)
ちょっと男性のキャラ絵が少ないかな…
各ポートレートには色違い(2種類)+髪型差分(2種類)用意されているとは言え、自分が作りたいキャラのイメージに近いポートレートがない可能性が高いです(特に男キャラを作りたい場合はツラいかも)。
アップデートパッチ Ver1.10にて、以下ポートレートが追加されました。
『蒼き翼のシュバリエ』より
サウル、エルサ、ロロン、ルーミ、バーゴ、ポポログ、ミンツ、チュップ、マイ、マァリン
『剣の街の異邦人』より
アルム、アンナ、キョウ、ギリウス、グルルバ、ドランサーク、ヘルガ、マリリス、リウ、レイン
『ピュアリーモンスター』より
石飛恵里花、今野優月、富沢恵莉、中島優衣、柳木みり、吉咲みゆ、安藤鈴菜(敬称略)
定価が少し高め
私自身はこの価格設定に不満はなく、ゲーム自体にも非常に大満足しているのですが、本作の定価は8,580円と少しお高め。
コアなジャンルでありますし、チームラ作品やダンジョンRPGをあまりプレイしないような層にはちょっと手を出しにくいかなと思います。
興味はあるけど少し高いしなぁ…とお考えのそこの貴方に朗報が。
「黄泉ヲ裂ク華」PS4・Switch版には通常版に加えて「お手軽版」と呼ばれるバージョンもリリースされています。(DL版限定)
お手軽版は通常版からシナリオクリア後要素を取り除いた分、価格を2,200円程安くしたお求めやすいバージョンです。
クリア後コンテンツは「“クリア後コンテンツが遊べる” 『黄泉ヲ裂ク華 やり込みDLC』」(2,200円)というものが配信されているので、そちらを購入・適用すれば通常版と同じ内容になります。
「通常版」と「お手軽版+やり込みDLC」は価格的に同値なので、通常版の方がお得といったことはありません。パッケージ版を買うというこだわりがない場合はお手軽を購入、楽しめてクリア後要素も遊びたいなぁと思ったらやりこみDLCを購入するのも良いかと思います。
トロフィーに関しては「やり込みDLC」の内容は一切影響しません。お手軽版の範囲でプラチナトロフィーまで遊ぶことが出来ます(追加トロフィーなどもないです)
まとめ
PS4「黄泉ヲ裂ク華」プラチナトロフィー獲得!チームラの新作DRPGです。
全体的に堅実な作り、システム周りが快適で遊びやすいです。不満点はポートレートの種類が少ないくらいでしょうか。
トロフィーはほぼ全てストーリー関連なので、トロコンは簡単。 pic.twitter.com/DKPwNqlS9p— ととねこのゲーム攻略所 (@totonekonet) October 20, 2020
- ダンジョンRPGが好きな人
- ハクスラ・トレハン要素が好きな人
全体的に堅実な作りでゲーム部分に大きな不満は特に感じられない、良作ダンジョンRPGです。私はPS4版をプレイしましたが、携帯モードで遊べるSwitch版も大変魅力的ですね。
グラフィックの使いまわしがあるなど色々な部分で予算の少なさを感じさせますが、制作者は限られた予算の中でゲームを最大限面白くするにはどこに力を入れるべきかを理解しているなと思いました。
トレーラーや公式サイトの雰囲気的にちょっとグロい表現があるのは伝わるかと思いますが、本当にそういったものが苦手じゃなければ、是非ともプレイして欲しい作品です。
死印のプロトタイプって、もしかしてこんな感じのシステムだったのかなぁ
3DダンジョンRPGに特段の興味があるわけじゃないけど、死印で感じた独特な雰囲気と同じものを感じて結構興味が…
はっ、これが企業戦略か