サバイバーに漏らさせるRPG
ととねこのゲーム紹介所・第19回 PS4/PSVita『Plague Road』
Eastasiasoft Limited | |
RPG | |
PS4VitaNSW | |
2020/01/10 |
- ローグライク要素を持ったターン制タクティカルRPG
- PS4/Vita版のセット商品、トロフィーは別扱い
概要
ストーリー
かつて故郷を捨てた一人の医者が、疫病で荒廃した街に取り残された人を救いながら街を目指す。
Plagueは疫病、伝染病の意。疫病が流行った道を進んでいくという意味なのでしょうか。
ゲームの流れ
プレイヤーは医者となって拠点である農場で探索の準備を行い、「平原」「森」「郊外」と進み、目的地である「街」を目指していく。
各エリアには取り残されたサバイバーがランダムに配置されており、話しかけると安全な農場に送られる。サバイバーは農場で確認すると能力値や職業が判明する。
助けたサバイバーはPTに加えて一緒に戦ってもらうか、農場の各施設に送って施設のレベル上げに活用できる。本作にはレベルや装備といった概念はなく、サバイバーを救ってパーティや施設を強化しながら攻略を目指す。
街の最深部に到達するとエンディングとなる。ちなみにボスなどは存在しない。
超適当な機械翻訳
センタリング句読点
てめーの紹介するソフトはクソ翻訳ばかりだな!と言われそうですが、本作のローカライズもかなり残念な出来です。上の画像を見てもらうと分かると思いますが、明らかに機械翻訳にかけたであろう不自然な文章となっています。
何故かセンタリングされた句読点はご愛敬という事で。
漏らす
街に取り残されたサバイバーは、救出後に農場で確認することでその能力が判明するのですが、その確認コマンドが「漏らす」となっています。
漏らすって何だよと思って言語を英語にして確認した所、「REVEAL」の日本語訳であることが判明しました。
「戦いに」「終戦」
戦闘開始時に表示される画面。英語だと「To Battle」。
戦闘終了時に表示される画面。英語だと「End Battle」。
おそらくローカライズ担当者が日本に関する知識がなく、どこまで訳せばいいか分からないから全部訳してしまったんでしょうね
というか句読点はセンタリングする癖にこれはしていないのか(困惑)
エリア間のナレーションが未翻訳
新エリアに入った際にナレーションが流れるのですが、これが未翻訳です。
ゲーム内に字幕が無く完全な音声だけだったので、機械翻訳できなかった(面倒くさかった)んでしょうね。
意味がなく楽しくもない戦闘
本作の戦闘は横5マス×縦8マスのフィールドで行われるターン制タクティカルバトルとなっています。
公式が「タクティカルストラテジー」と称していたり、パッと見はSRPGっぽくて戦略性がありそうな雰囲気を醸し出していますが、向きやZOCといった要素はなく、移動範囲や遠距離攻撃も長いものが多くて位置取りはあってないようなもの。タクティカルストラテジーとは正直言い難いレベルですね。
このように戦闘自体があまり面白いものではないのですが、戦闘をしても得るものがほぼ無いという点が最高にキツい。
厳密には先のエリアに進むために必要なアイテム「ハーブ」が入手出来るため全く意味が無いわけではないのですが、本作には上で述べたようにレベルや装備といった概念がありません。楽しくない戦闘を重ねてもキャラクターが成長することはなく、アイテムを入手出来るといったこともありません。面倒な戦闘を越えた先に何もないのです。
戦闘は演出が長く敵の思考時間があったりテンポも×、戦ってもリターンがないと敵は完全に障害物でしかないのですが、敵を回避するのが難しいのがウザさに拍車をかけています。
本作はシンボルエンカウント制なので避けることで戦闘は回避出来ますが、横軸の移動は敵の方が微妙に早く、まっすぐ走っていると必ず追いつかれてしまいます。一応縦軸方向の移動を駆使すれば逃げ切ることは可能ですが、複数シンボルいる場所では結構難しいです。
更に戦闘終了後の無敵時間的なものはないので、複数の敵シンボルがいるところで接触してしまうと連戦が確定。めんどくせぇ!
まとめ
↑これ、ゲームオーバー画面なんだぜ…
- 独特なビジュアルに惹かれ、多少の事なら目を瞑れる人
- サバイバーを漏らしたい人
ダークな雰囲気の世界観や独特なグラフィックなど魅力を感じる部分はありますし、ゲームシステム自体ももう少し練り込めば面白くなりえるポテンシャルはあったような気はします。
ですがこの状態ではゲームとしてはあまりオススメ出来ない、というのが正直な感想です。
かったるいハーブ集めを乗り切ったものだけが見れる衝撃のエンディングは必見だ!
ここにまた新たな名言が生まれましたね。
思わず涙
を、漏らす。