(遅延行為と)戦え!カラミティエンジェルズ
『届けろ!戦え!カラミティエンジェルズ』をプレイしての感想
概要
IDEA FACTORY Co.,LTD. | |
RPG | |
PS5PS4Switch | |
2025/6/26 |
本作は配達を題材にしたドタバタ配達RPG。
主人公であるユウリ(男女選択可)は幼馴染のスレアが勝手に応募したリーダー昇格試験に合格したことをきっかけに、配達チーム「カラミティエンジェルズ」のリーダーとなります。
本来このチームは「キュートエンジェルズ」という名前なのですが、配達先を間違える・配達期限を守らないなど行く先で問題を起こした結果、災難を運ぶ天使「カラミティエンジェルズ」と呼ばれています。
そんなチームの新米リーダーとなったユウリは問題児ばかりのチームを率いて「カラミティエンジェルズ」をトップクラスの配達チームにすべく奮闘することになります。
ゲームの流れとしては拠点となる配達ギルドで依頼を受注し配達を行います。
配達カバンは3×3マス(初期状態)の形になっており、依頼品や消耗品などはそれぞれブロックの形をしていてそれらが上手く収まるように詰め込んだら配達に出発。
配達先となるマップはすごろく形式になっており、ルーレットを回して出た数だけ進むことが可能。止まったマス目によっては様々なイベントやバトルが発生。
また依頼品には「想いパワー」という本作の世界で重要なエネルギーが込められており、これが無くなる前に配達を完了すると追加報酬を得ることも出来ます。
敵とのバトルは戦闘メンバー3人(+最後に主人公がアイテムなどのサポート)によるターン制コマンドバトルとなっているのですが、仲間が気分次第で指示に従わなかったり勝手な行動を取ることがあります。
指示以外の行動は効果が通常より高くなるといった良い効果もあるのですが、意味のない行動だったり攻撃自体してくれなかったり、特定の条件を満たしているとスペシャル技を使うなど、仲間に振り回される・好き勝手されることを楽しむというバトルシステムが本作最大の特徴ですね。
戦闘バランスはかなり易しめで回復アイテムを用意していれば基本負けることはないです。
個人的にはもっと大味なバランスになっていいので、組み合わせによって発生するイベントを増やすとかもっと滅茶苦茶な事をするとか、もうちょいはっちゃけても良かったんじゃないかなと思います。
本作のイラストは「ムゲンソウルズ」「Death end re;Quest」「神獄塔 メアリスケルター」シリーズなどのキャラデザとしてもお馴染みなナナメダケイ氏が担当。通常立ち絵やイベントCG、ディフォルメキャラなどどれも可愛らしく高評価。
ストーリーは問題児を抱えた落ちこぼれチームが苦労しつつも依頼を達成していき、徐々に周囲から認められていくというよくある展開。正直言うとこれで終わり…?って感じでストーリー的な面白さはイマイチかなと思いますが、ドタバタコメディで明るい雰囲気のゲームをやりたいという人には合っているかな?
これはおおらかな気持ちで遊ぶゲームです
このゲームは一言で言うと遅延行為の塊のような作りになっています。
以下、気になる点をザックリ紹介。
戦闘:「何もしない」
プレイヤーの指示を聞かないのはいいのですが、何の行動もしない場合がそこそこあります。
これは単なる遅延行為で戦闘が長引くだけなので、もう少し頻度を落としてもいいのではという気がします。
戦闘:演出が長く無意味なことも多いスペシャル技
スペシャル技は特定の条件を満たしていると確率で発生。
強い技もあるが、ほぼ意味のないカスダメやそもそも何もしない、こちらにマイナスの効果も多数。何より演出が戦闘スピード2.5倍速にしても20秒前後待たされる。通常攻撃1発で倒せるのにってタイミングでやられるとウザイ。
戦闘:その他
- このゲーム命中率ちょっと低くない?「何もしない」とか無意味な行動が多く戦闘が長引きがちなのに、更に遅延させる必要はあるのか?(バフ使えってことなのでしょうが)
- 仲間呼びする敵は死滅せよ
すごろく:強制ストップマスが多い
後半のエリアは徘徊する敵、通過不可能な強制戦闘マス、マップの裏側的な洞窟エリアの出入り口など、移動力が残っていてもそこでストップとなるマスが多くスムーズに進めない
すごろく:ルーレットの目が1か2しか出ないマップが複数ある
後半のエリアが大体この仕様なのには参ったぜ、コンパちゃん!
4ターン6マスまで移動出来るようになる、出た目に指定の数字分移動力が増えるといったアイテムを活用しろとの事でしょうが、アイテムは所持数制限もあるし、一部アイテムは拠点で買えない、前述した強制ストップマスが多いとあまり効果を発揮しない。
どこでアイテムを使うかという戦略性も別に…という感じで何が楽しいんだこれ(辛辣)
育成:キャラ成長がほぼシナリオ固定で戦闘の意味が薄い
キャラの強さはチームランクによってのみ上昇。配達回数・累計経験値・特定メインミッションクリアの3つを満たすとレベルアップ出来るが、バランス的にほぼメインミッションで上がる仕様と言ってよい。
経験値は割と早い段階で必要量溜まってしまい、それ以降経験値という意味では戦闘をする意味が無くなる。
すごろくの仕様上後半は敵を回避しにくく、戦闘自体も遅延が多いと戦闘が面倒なゲームなのに、その戦闘に勝利した際のご褒美が実質皆無なのは如何なものか。
UI周り
- アイテムの所持限界数が手持ち+倉庫の合算。倉庫に入っているとショップで最大数まで購入補充が出来ない。倉庫からアイテムを出すのもワンボタンで出来ず面倒
- アイテム倉庫のアイテムが拠点内の「アイテム整理」からしか取り出せない
- アイテム倉庫内のアイテムを売却出来ない。売れるのは手持ちのカバン内のみ
- アイテムを売れるショップは拠点の外にある。つまり倉庫内のアイテムを売るにはギルドに移動→アイテム整理にて手持ちに売却アイテムを移す→ギルドから出てショップに移動→売却という手順を踏む必要がある
- 換金アイテムは帰還時に勝手に売却しろ。倉庫に入れる意味ねーだろ
- 配達カバンがマス目状になっていてそこにアイテムを詰めていくという要素に必然性がない(やりくりするパズル的な楽しさもない)。これのせいで倉庫とかのソート機能も実装されていないし意味ないと思う
- 戦闘時にカーソルを動かす度にキャラが喋ってマジでうるさい。ターンが周ってきた時に1回喋るだけで良くない?
— ととねこサブ (@totonekosub) July 5, 2025
- メニューやアイテムなどを開いた際の画面遷移がちょっとだけ長い(処理が重い作りではないと思うし、もうちょっとだけキビキビ動いて欲しかった)
ゾンビ
ゾンビの出現率が妙に低い。こいつを見つけるのに5時間ぐらいかかった(全ギレ)
まとめ
- キャラやデザインは可愛い
- コンセプトは悪くはないと思う
- とにかく気が利かない。それはダルイだけだよって事が多過ぎる
PS5『カラミティエンジェルズ』プラチナトロフィー獲得!
本作は配達人となって荷物を届けるRPG。すごろく仕様のマップ、仲間が気分で勝手な行動もする戦闘等が特徴後半のルーレットが1か2のみのマップ連発はアイテムごり押し想定でも微妙だと思う。あとコンパちゃん、ゾンビの出現率低過ぎでは? pic.twitter.com/siX32yeE5f
— ととねこのゲーム攻略所 (@totonekonet) June 30, 2025
とにかく細かな「かったるさ」が多く、それらがどんどん蓄積されていって妙に疲れるゲームでした。コンパちゃんお馴染みのキャラとか雰囲気は良いのに、ゲームシステムが足を引っ張っている感じです
「仲間に振り回される・好き勝手されることを楽しむ」というコンセプトは良いのですが、「無駄に時間を浪費される」のを楽しめる人はあんまりいないと思うよコンパちゃん!
ざっくり言うとデスストの方がマシって事かな